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美術という見世物―油絵茶屋の時代 (ちくま学芸文庫)
 
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美術という見世物―油絵茶屋の時代 (ちくま学芸文庫) [文庫]

木下 直之
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商品の説明

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第15回(1993年) サントリー学芸賞・芸術・文学部門受賞

内容説明

文明の衝突か! 写真掛け軸、油絵茶屋……江戸の伝統と西欧の「美術」が出会い、興味深い「美術の形態」が続々と誕生した幕末明治。見世物=美術の前提に立ち、ダイナミックで豊穣な造形表現を再評価する --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 401ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (1999/06)
  • ISBN-10: 4480084959
  • ISBN-13: 978-4480084958
  • 発売日: 1999/06
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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14 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 日本近代美術史への異議申し立て, 2004/8/3
レビュー対象商品: 美術という見世物―油絵茶屋の時代 (ちくま学芸文庫) (文庫)
 かつて兵庫県立近代美術館学芸員として「日本美術の19世紀」という衝撃的な展覧会を開いた著者が、その内容の一部をさらに詳しく論じた書物。生人形、見世物としての油絵など、幕末明治期の美術の周辺に置かれてきた造形表現を広く探り、日本近代美術史の再考を迫った。著者は、もちろん移植された制度としての〈美術〉に自覚的だが、制度自体の沿革をたどろうとするのではない。あくまでも具体的な資料そのものから眼を離さず、大量の物と文献とを注意深く公平に検討することを通じて、この制度の呪縛から軽やかに逃れ出ている点がすぐれる。江戸時代までと明治以降との連続性を常に意識し、いわゆる古美術に対する判断にも偏見がない。そこに浮かび上がるのは、美術行政・美術教育・美術展覧会の外側で、そして美術史学の外側で作られ続けていた幕末明治の造形の多様でエネルギッシュな姿にほかならない。平凡社の叢書が初版だが、ちくま学芸文庫で復刊されたのは、より広い読者を得るために喜ばしいことだった。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 抜群のバランス, 2009/4/22
レビュー対象商品: 美術という見世物―油絵茶屋の時代 (ちくま学芸文庫) (文庫)
価値観も言語も違う江戸と明治以降を成功裡にブリッジしている。著者は、見世物から美術へ
の変容(見る側における意識、実際の姿の双方が同時進行する)を見事に描き出す。認識にま
で影響を及ぼした歴史の転換を記述するのは曼陀羅を文字化するような原理的な困難を伴うと
いえ、方法としては非常な注意が求められるが、それを論点とする著者のスタンスは実に確か
である。挙例による牽強付会も、仮説に基づく牽強付会も見られず、仮説と検証のバランスが
うまく保たれているのは出色。著者にしたら当然ながら、現在の自ら(ここでは少なくとも明
治以降)の言語・価値観で、別時代(延いては別地域にも当てはまるといえる)に踏み入るこ
との危険性を改めて確認させられる。

結果、全編を通した著者の筆致を通じて、筆者は一つの語り(騙りであったとしても)として
実に楽しく、一気に読み通せた。図らずも、見世物における口上の重要性を知らされた気すら
する。見事に描き出された姿を通じて江戸の豊饒を知ると同時に、明治期における近代の受容
のありようが現在の状況に対する批判的検討の礎になる(同時に、伝統日本の限界も見えてく
る)と知ることを、本書の成果がもたらす副産物と云ってしまうとしたらあまりにもったいな
い話だろう。
(私は平凡社版で読んだ)
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