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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
倉越節子の「虚」と「実」,
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レビュー対象商品: 美徳のよろめき (新潮文庫) (文庫)
この作品はサドの『ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』に直接ヒントを得て書かれているが、三島が目指したサドばりの「思想小説」とは裏腹に、たんなる節子のよろめき小説として失敗に終っている。 肝心の「美徳」が全然よろめかずに、主人公倉越節子のよろめきばかりがあまりに豪奢に描かれすぎたためだ。 この作品を書き終えた後の対談で、三島由紀夫は宇野千代に『あなたはよろめいたことのない人ね』と嗜められたそうです。 三島でさえ思惑通りにいかなかったことからみても、いかに「思想(哲学)小説」を書くのが難しいかということだが、 ある意味「生」を感じさせない??形のような節子を取り巻く情景の只ならぬ美しい雰囲気が、何とも印象深い作品。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
個人的には隠れた名作,
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レビュー対象商品: 美徳のよろめき (新潮文庫) (文庫)
この作品はあまり有名ではないが、非常に三島さんらしい作品である。ごく簡単に言えば「女性批判」の作品だろう。節子は非常によく教育され“美徳”を持っている。しかしその“美徳”とは真に彼女の精神に埋め込まれたものではなく、単に教育された一形式に過ぎない。その証拠に彼女は肉体的貞操を保ってさえいれば、夢や空想上で何をしてもかまわぬと本気で考えているのである。 またよく表現されているのは、節子は性欲から来るものをよく知らない、だから夫が見る「写真」も理解できないし、まただからこそ自分は精神的で道徳的だと考えているところである。しかし“性欲がない”ということと“性欲があるということを認識できない”ということは大きく違うのであり、状況さえ揃えば、本人も知らぬ裡に、節子は“肉”の世界の底に簡単に沈んでゆくのである。従って最終的に節子は肉体的貞操も犯してしまう。これは一般的な女性にも言えることである。 このようにこの作品では女性の“精神”がいかに疑わしいものかということを、節子の“美徳”がよろめいていく様を書くことによって描き出している。女性にとっては非常に不愉快かもしれないが、表現なども非常にすぐれたものだと思うので、様々な方に是非読んでいただきたい作品である。
18 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
最上質の三島ワールド。,
By mm - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 美徳のよろめき (新潮文庫) (文庫)
数ある三島作品の中で、最も三島らしい作品。三島だからこそ書けた作品。どれほどの言葉をつくしても伝えきれぬほど、美しい作品である。残念ながら、現代の無数の作家の中で、こんなに美しい物語を描ける人物は見当たらない。
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