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美容整形と化粧の社会学―プラスティックな身体
 
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美容整形と化粧の社会学―プラスティックな身体 [単行本]

谷本 奈穂
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

自然な身体から加工対象としての身体へ。変容する身体観から浮かび上がる、感覚や行為に宿る現代のアイデンティティ

内容(「BOOK」データベースより)

自然な身体から加工対象としての身体へ―変容する身体観から浮かび上がる感覚や行為に宿る現代のアイデンティティ。

登録情報

  • 単行本: 306ページ
  • 出版社: 新曜社 (2008/7/11)
  • ISBN-10: 4788511126
  • ISBN-13: 978-4788511125
  • 発売日: 2008/7/11
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ソコツ トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
美容整形に対する現代人の意識調査にもとづき、現代社会における人々の身体感覚や自己像のあり方を考察した作品である。また、近代日本における化粧品広告の変遷から、女性の美しさ(とそのつくり方)に関する語り口の変容を明らかにし、その時代的変化が美容整形についての意識の現在と密接にリンクしていることを指摘する。
美容整形は、しばしば、自分のルックスに対して劣等感を持っている人々や、異性にモテたい連中が進んで行っているものだと考えられがちだが、必ずしもそうではないらしい。すなわち、自分の外見にそこそこ自信がありまた他人から褒められる人でも、より「理想」の自分に近づくという自己幻想に魅惑されて、あるいはお気に入りのファッションやメイクが似合うようになるために、あえて整形をしているのであって、現在の美容整形の理由は、主に「自己満足」という点にある、という。
まあ、そういう理由から整形するゼイタクな人たちもいるだろうな、と思ったし、そこから自己の身体パーツの加工や評価による自己確認こそが人間のアイデンティティの本質、といった論点を導きだすのもなかなか説得力があったが、どうにも違和感が否めないのも事実である。やはりブス(ブ男)からの脱却、というのが美容整形の根本的な存在理由ではないか。著者がちゃんとインタビューした人々は、わざわざ美容整形についてのインタビューに応じているという時点で、そりゃコンプレックスの少ない人だろう、と思えてしょうがない。深刻な劣等感から整形に至った人たちは、その経験をフォーマルな場で語ることには躊躇しがちであろう。
ともあれ、本書は美容整形に関する学術的な本として日本では今のところ希少なものであり、独自の見解も提示されているので、それなりにおもしろく読めるはずである。
このレビューは参考になりましたか?
形式:単行本
社会学の本を読むと対象となる人間が全て均質な性質を
持つかのような錯覚に陥る。
それで個人にインタビューをする事例は頭に残る。

ひきこもり、未婚、無職で40歳代女性の台湾での
「レアケース」な事例。
手術の前と後で身体も心も変わらないし、自分のことを
鏡でも見ないし、他人が見ている意識もないと断言する。
本人がそう言ってるからってそのまんま受け取るのか!
社会学ってなんてナイーブなんよ。

ドイツの離婚経験者の事例。
「束ねない髪、きれいだよ」「束ねた髪、きれいだ」
「ブロンドは素敵だ」「黒髪は素敵だ」全部(元夫にとって)「素敵」でした。
それが私にもたらされたのです。彼(前夫)にはどうでも良かった、
私がどう見えようがどうでも良かったのです。
(中略)いま私は口から出てくることよりも、むしろ反応を見ています。
私はかなり批判的になりました。もう以前のようには人を信用しません。
多くのことに否定的になりました。
……こういう話を深く聞いたりはしないのか。
自分の身体認識が問題になるとき、他者よりも自分をどう見るかが重要だと
いう話で出てくるエピソードなのだ。夫婦関係に基づく軋轢の結果なわけだ。
その人がどうしてそうなのか、社会学は全く関心がないのか。
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11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 梵太
形式:単行本
著者プロフィールによると専門は現代文化論で、単著は他に『恋愛の
社会学』がある。
美容整形と化粧品広告の分析をもとにして現代の身体とアイデンティティ
をめぐる問題を扱っている。美容整形を扱った第1部と化粧品広告を扱った
第2部の2部構成で、前者はこれまで発表した論文をもとに大幅に書き加え
たもの、後者は博士論文の一部を修正したものであるという。本論の分析
には加えられていないが、附録に海外で実施したインタビューの記録が紹介
されている。
分析そのものは、身体とアイデンティティ、その背景としての社会構造に
対して真正面からぶつかるような形になっており、筆者の論に私が賛同し
ているかどうかは別として、好感がもてた。また、文章表現は地味だがその
ぶん明確で、解釈の際には予期できる反論に対するエクスキューズが挿入
されていて、周到に検討した様子がうかがえる。

本書でもっとも興味深いのは、身体とアイデンティティに関する議論であ
ろう。身体の直接的な加工を施した美容整形実践者たちの語りから、「心身
二言論」とのズレを筆者は指摘する。筆者によると、従来、美容整形は身体
を加工することで内面を変える、あるいは内面に沿うように身体を加工する
という動機で説明されていた。これはどちらも、内面と身体の一方が確固と
したアイデンティティのよりどころとみなされた上で成り立つ話である。
しかし、インタビューを通してみえてきたのは、そんな確固としたものに
依り立たない美容整形経験者のとらえ方である。筆者はこれをアイデンティティ
の置きどころが「行為」「感覚」にあると結論付けている。確固たる「存在」
ではなく、運動体(?)としての「行為」や「感覚」に求めているのは面白
かった。
ただ、疑問点がないわけでもない。「行為」や「感覚」という言葉はニュア
ンスで何となくの理解はできるが、「心身二言論」から脱却するような明確
なパースペクティブになっているのかわからなかった。本書では「内面」と
か「感覚」とか「アイデンティティ」とか様々な表現が使用されているもの
の、著者の定義というか、そこまで厳密ではなくても使い分けの線引きが曖昧
だった。そのため、「感覚」と「内面(精神)」はまったく異なるものなの
かとか、「行為」にアイデンティティが宿るとはどういう事態かとか、まだ
まだ著者の意見を聞きたいところも残った(精神とか身体と表現されるもの
との距離はその軽やかさからある程度理解はできるのだが)。
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