本巻には、吸い物のブラインドテストが登場します。
一方には自然なダシを使用。一方には化学調味料。
さて結果は、ほとんどの日本人が化学調味料の方が美味しいと感じました。
でも山岡さんに言わせると、「化学調味料はニセモノだからダメ」なんだそうです。
(山岡さん、「本当に美味しいものは誰にでもわかる」んじゃなかったのでしょうか)
恐らく自分なら「豆腐と水」の味の違いが判らない側の人間なので、化学調味料の方を選んでしまったでしょう。
本作ではよく、化学調味料は身体に有害である旨が言われます。
しかし、それもあくまで数ある説のなかの一つにすぎず、化学調味料が有害か無害かは結局のところわかっていないのです。
となると結局、自然素材主義は味云々よりもむしろ信仰の問題なのではないかと思うのです。
9巻は、「結局は化学調味料の方が美味いかもしれない」という決定的な矛盾がポロリと露呈してしまった、ある意味最重要な巻なのです。
この巻の後では他のエピソードも違った読み方ができます。
そして読者はどちらが美味いか、山岡さんの言うように「メディアの言うことを鵜呑みにせずに自分の舌で確かめて判断」するべきなのでしょう。