今回は昨年の大震災をテーマに、各県巡りで訪れた場所、そこで知り合った人々、そして名産物・・・は一体どうなってしまったのか?を検証するために被災地に出向く・・・という内容でまとめられている。それはそれで意味のあろうテーマではあると思うが、読んでみると、まず被災地に行く、現地の惨状を目にする、想像を絶する被害状況に唖然とする、あの人たち、あの店、あの養殖場、あの港、あの食べ物は・・・もう全てが津波にさらわれ、ゼロから、いやマイナスから立て直すしかないような酷い状況・・・ではあるが、皆「いつまでもこんなことに負けてはいられない、また、頑張るしかない」「皆めげていない」という判で押したようなストーリーが全篇を占めている構成となっている。被災者の方々の頑張りを描くことは素晴らしいとは思うが、どれもこれもが金太郎飴の様な同じ構成になっているため、一作品としては、安易な内容というか非常に薄っぺらい作りになっていると言わざるを得ないであろう感じた。また、他の方も言っておられるが、この作品は以前から、ウンザリするほど「食の安全性」を声高に訴えてきた筈なのだが、今回に限っては、一番問題視すべきであろう「原発事故による食品の風評被害」にはまったくといって触れられていないことには頭をかしげざるを得ないというか、今まであれほど何度も主張してきた「安全性」を何故いまこそ突っ込まないのか・・・?と思われる方も多いのではないか?かつて訪れた被災地はどうなってる?復興に向けて頑張っている、良かった・・・だけでは片手落ちと言われても仕方がないのではないだろうか?今回、被災地を取り上げるということで期待をしていたのだが、そういう意味では非常に「偏った」内容になってしまっていると感じ、グルメ漫画というカテゴリーは影を潜め、何か新聞記事を読んでいるかの内容に終始してしまっている今回の内容は「残念」と言うしかないだろう。