美味しんぼ全102巻、全巻読んだわけではないが、私にとっての最高傑作は第1巻である。とにかくあらゆる点で衝撃的だった。したがって後は下降する一方なのだが、特に二人の結婚の後はどんどん散漫になってしまい、私も60巻程度で読まなくなってしまった。
そんな美味しんぽが一区切りし、しかも父子が「和解」するというので本当に久しぶりに手にしてみた。なんだ、和解と言っても、「父さん」とか「今まで済まなかった」とかそういうセリフがあるわけじゃない。だがそれでも、ラストシーンはかつての愛読者の一人として、万感……は大げさにせよ、ちょっと胸に迫るものがあった。いい場面だ。
特に最近の美味しんぼは酷評される一方にあったと思うが、それはちょうど力の衰えた大横綱なんかが批判されて「引退した方がいい」「ヤメロ」と言われるのと同じことなのであって、裏返せばかつていかに物凄かったか、ということに他ならない。最初から最後までずっとマンネリかつ同じ調子で100巻ぐらい続いている料理漫画が他にもあるが、あっちはそんなに酷評もされないし、これからも続いていくだろう。横綱と平幕とでは、引き際もまた異なるのである。
こんなにも長い間日本の食文化のために奮闘されたお二人に、おつかれさまの意味を込めて最高の評価にした。