シラーは自らの美学論の集大成として『カリアス』という書籍を著すつもりでした。しかしその夢が実現されることはなく、代わりに友人のケルナーにあてた手紙が「カリアス書簡」(本書)として伝わっています。
さて本書は「書簡」でありますがシラー美学の根幹が明快に述べられています。もちろん現代の観点からすれば不備・不足はあるでしょうが、学問としての「美学」がカントと、そしてシラーの手で構築されたといっても過言ではないでしょう。
文学論や芸術論など「美」に関わる者あるいは関心がある者ならばカントの『判断力批判』とシラーの『カリアス書簡』は無視できないでしょう。