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でも帰りの電車の中で読んでみると…予想していた以上に難しい!
とにかく学生たちの話す言語がとにかく観念的で、悪戯に難解。これが活字で読めるからまだいいようなものの、討論なんてよくできたものだと正直思いました??三島もその点は別の対談で触れていて、『学生たちの言葉が即座に理解できたのか?』との質問に、三島は『いや、出来なかった』と衒わずに答えています。それならどうして討論できたのでしょうか? 三島は同じ質問をされて再びこう答えています。『こういう話し合いは機先を制するんだね。先に喋ったほうが、勝ちですよ。相手が何を言おうとこちらは言いたいことを言えばよい―』
うーん…とにかく本書で三島由紀夫は千人の学生を前に堂々と渡り合っています。先に引用した三島自身の言葉を信じれば、三島は相手のどんな言語をも体内に取り込んで自分の言語に即座に変換し再構築させる―そんな魔法遣いならぬ"言葉遣い"三島だからこそ出来た、熱い討論といえるのかも。
東大全共闘の学生たちの兇暴な!!眼差しと熱気あふれる教室の雰囲気―そんな学生がいる熱い時代もあったんだなって、ちょっぴり羨ましいような、何ともいえない懐かしいような(?)不思議な気持ちで溜息をつきながら本を閉じました。
―人が変わったのか、それとも時代が変わったのか?
いずれにせよ今から30年以上も前に東大教養学部900番教室で実現した、三島由紀夫と東大全共闘との伝説的な討論のお話。
第一。ほかの方も言っていますが、全共闘の人々の言っていることが抽象的でほとんど分からない。議論を丹念に追うのは、ほとんど無駄に思えます。にもかかわらず議論に食いついていった三島は、それだけで立派。私自身は、この時代に生まれなくてよかったと思います。
第二。三島も全共闘も、互いに自分の意見が相手に通じるとは全く期待していません。にもかかわらず、というより、それゆえにこそ、本書では「対話」がそれなりに成り立っています。このことは、非常に面白い。と同時に、この後の内ゲバ騒動を考えると、非常に複雑な気持も懐きます。
第三。両者とも、「!この一瞬」にかける熱気がすごい。そしておそらくはそれゆえに、両者は対極的な意見を持ちつつも、「心意気」で通じるところがあったように感じられます。
私は三島はあまり好きではないのですが、本書に関する限りは、三島に軍配を上げたいと思います。
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