☆ヘア論争に勃発したり猥褻な作品だとか色々な話題を呼んだ注目の一篇。さかのぼる事19世紀に大活躍した小説家バルザックの有名な『知られざる傑作』を題材に映画化した約4時間に及ぶ秀作。軽く内容を説明致しますと、画壇の重鎮、ミシェル・ピコリが南フランスで妻のジェーン・バーキンと滞在する事になり、若い画家ダヴィッド・バースタインの恋人エマニュエル・ベアールをモデルに絵の制作に取り掛かる。という物語を写実的描写と日常風なムードで展開され、その間に繰り広げられる人間模様や環境風景を緩やかな構成で地道に描いている。そして、一番の見所はなんと言っても、ミシェル・ピコリがエマニュエル・ベアールにあらゆるポーズを指示しては多彩なデッサンをじっくりと描いていく粘りの描写と集中的過程=(経過)であろう。落ち着いた静かな雰囲気もこの作品を最高のものにしている。然り気無い場面にも洗練された手作りの良さが滲み出ている。モデル役を大熱演したエマニュエル・ベアールの官能的魅力も忘れ難い。ミシェル・ピコリの熟練な画家ぶりも風格充分。シンプルで簡素な音楽もよろしい。予想外の賛否両論な結末はご愛嬌=(苦笑)。4時間近い大長編を辛抱強く丹念に作り上げたフランス映画界の大御所ジャック・リヴェット監督の根気ある見事な演出には大いに感服させられた。芸術の複雑な部分と意味合い、深さを時を越えて教えてくれた貴重な映画です☆。