バブル経済期以降はそれほどでなかったインテリアデザインブームもここ数年で静かなブームとなっているようである。
それはこうした書籍の出版、或いは椅子のミニチュアが発売されている事からも明らかであるが、クルマのCM(日産ティアナ)にまでヤコブセンやチャールズ&レイ・イームズの作品が登場するとは思いもしなかった。
この本に登場する作品は殆どがインテリアデザインブームとなる1960年代だとか、新しくても1980年代のものばかりなのだが、まさに「先見の明」というか、生まれ出たのが早すぎたのではないだろうか?本当に今見ても見入ってしまう逸品ばかりだ。
愚生も9年前くらいになるか、愛知県豊田市の美術館まで片道3時間以上かけてこうしたデザイナーズチェアの企画展を見に行った事がある。一番の目的はこの本にも登場する倉又史郎氏の「MISS BLANCHE」が目的であった。色々な椅子を見ながら順路を進んでこの椅子の前に進んだ時、思わず立ちすくんでしまった。それはまるで初恋の人にでも再会したか、憧れの女優にでも会った時のような興奮であった。
アクリルの透明な樹脂の中に、まるでまだ咲き誇っているかのように鮮やかに咲いた薔薇の花、1988年に作られたというが、今作られたばかりのような印象を受けた。
閑話休題、こうした経験は他の人でもあるかもしれないが、この本はそんなデザイナーズチェアの魅力を余す事無く伝えてくれる。その作品についての説明や、製造方法についても図説で丁寧に説明されているので、是非ファンならば一冊は持っていたい。