愛をめぐる9編のオムニバス女性ドラマ。各エピソードとも、全てワンシーン・ワンカットで、ひとりの女性の人生の一部を10分間切り取ったという感じですね。
デジカメ撮影で、映像は粗いし、ブレることも。だけど、その分リアル感を増しているのも事実。
女刑務所に服役中の母親、昔の恋人に再会して心揺れる人妻、父との愛憎に引き裂かれる娘、等々。人種も階層も異なる女性たちのある瞬間ではあるけれど、彼女たちの凝縮された人生が映し出されます。そこから、それぞれの痛みや迷いが痛切に伝わってきます。
女性たちの過去に何があったのかはもちろん、この先どうなってしまうんだろう? というところで終わるエピソードも多く、ついその先を想像してしまう。また、あるエピソードで主役だった女性が別のエピソードで脇役として登場することもある。
どのエピソードもそれぞれ女優の素晴らしい演技にうならされるのですが、スーパーで偶然出会うかつての恋人を描いた2番目の話『Daiana』が一番秀逸だったかな。中年になりお互い結婚しそれなりの幸せを持っているものの、過去の思いを忘れられない男女の機微描写と演出は『上手い!』と唸らせるものでした。
そんなふうにリアルなスケッチ集という感じで8つのエピソードが綴られていきますが、最後にとっておきの、そして意外な一枚がめくられます。このグレン・クロースのエピソードは牧歌的でやさしさに包まれています。そして木洩れ日の下、生と死がふと交錯するその瞬間、この奇跡。それが理解できたときの、そのあまりのせつなさ...。