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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
個と近代の崩壊。しかし新たな始まり。,
レビュー対象商品: 羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫) (文庫)
映画「地獄の黙示録」に着想を得て描かれた、と言われる本作は、「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」から続いた三部作であり、ここに来て村上春樹が始めて「個」のみでなく「相容れない外部」を描いた作品。謎の大物政治家的なフィクサーに入り込んだ『羊』を探すミッションと主人公の友人探しは奇妙な一致を見せてゆく。その冒険の過程は、「地獄・・」でウイラードがベトナムの奥深くへ潜入してゆく過程と同様の構造をもち、その奥で見出されるものは、「個のなかにある何か」であると同時に大物フィクサーに象徴される「日本の近代」を意味するように読めた。しかし、その二つは『相容れぬ他者同士』ではなく、同一の母親から生まれた、『双生児』であると思える。その事実は皮肉であるとともに、悲しい。しかし同時に希望にあふれるように思える。なぜなら僕には新たな始まりを高らかに歌い上げるように思えるからだ。それは「ダンス・ダンス・ダンス」へと力強くつながってゆく。
37 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
羊男に注目,
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レビュー対象商品: 羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫) (文庫)
大変読み応えのある小説でした。友情と愛情と冒険とサスペンス。幻想的な情景とミステリアスなストーリー。 「風の歌を聴け」や「1973年のピンボール」のエピローグがあったり、 「ダンス・ダンス・ダンス」のプロローグがあったりします。 もっとも僕は、羊男のイラストが一番ショッキングだったりしましたがw この村上春樹の羊系小説を読む場合、 風の歌を聴け→1973年のピンボール→ 羊をめぐる冒険→ダンス・ダンス・ダンスの順番で読むことをお薦めします。 タイトルこそ違いますが、これらはリンクしております。 僕はそれを知らずに順番めちゃめちゃに読んでしまったため 話が前後してしまいました。 ちなみに僕のニックネームSheep-manはこの小説に出てくる羊男から取りました。
49 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「風の歌を聴け」第三巻。,
By 黄亀 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫) (文庫)
「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」とともに、俗に「三部作」と呼ばれる小説の3作目。前二作を先に読まないと半分も楽しめません。「風の歌を聴け」に出てくる主人公「僕」とその親友「鼠」。この二人がとても魅力的な人物で、彼らへの思い入れこそがこの三部作を楽しむ上で最も重要になります。あの二人は文学史に残るアイドルになるかもしれない。夏目漱石の「坊ちゃん」みたいに。二人は「風の歌を聴け」で20歳前後、「1973年のピンボール」で25歳前後。「羊をめぐる冒険」で30歳となります。20歳、25歳の彼らとともに青春の苦悩を味わい、”ジェイズバー”でビールを飲み、それぞれの恋をし、バーテンの「ジェイ」と会話を楽しんだ過去があってこそ、30歳の彼らが遭遇する苦難と冒険にのめりこむことが出来るわけです。「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」に関しては、僕の場合、部分的に20回以上読み返しています。暗記している場面すらあります。小説を読み返すタイプではないんですが、この二作は別です。短いですし。 「羊をめぐる冒険」は探偵小説のように謎を追うストーリーです。探偵小説と青春小説を混ぜ合わせたような小説。ドラマチックな場面も多い。三部作の中でも特に人気の高い作品です。前二作と違って整ったストーリーと緻密なプロット、構成の巧みさをも楽しめます。特に終盤がいい。 ついでに言うと、この続編として「ダンス・ダンス・ダンス」という小説がありますが、こちらはこの「羊をめぐる冒険」に出てきた人物が中心になります。つまり人気シリーズなんですね。
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