昭和8年。夜鷹が産んだ一人の男児、神崎武美。
彼は浅草の侠客、浜嶋辰三の下で育てられ、
次第に日本の裏社会を代表する存在となっていく。
親のために身体を張る。
親が誰かに狙われたりしたら、その相手を殺る。
任侠の世界の掟を小さい頃に教えられた武美は、
この教えに背くことなく生きていく。
裏切りを含めた、様々な辛い出来事にも遭遇するのだが、
掟を守るという武美の軸はブレることがなく、
彼は常に親のことを第一に考え、太く、大きくなっていく。
ただ、決して曲げない信念を持った強い男でありながら、
孤独や悲哀といった寂寥感も、この男からは感じ取ることが出来る。
そして優しさも。
刑務所内やアメリカに舞台を移した話も盛り込まれ、楽しめる。
文章も読みやすい。