カイルモア公爵が、逃げた愛人ヴェリティを誘拐、
拉致監禁した場所は荒涼としたハイランドの地。
孤絶した城で、彼女の心身を取り戻そうとしますが、長年の愛人生活から逃れて、
独立した生活を夢見てきたヴェリティは、かたくなに彼を拒絶します。
体を溶かせば心にも触れられる、とばかりに、
公爵があらゆる手でヴェリティに迫る求愛の場面が続きますが、
彼が求めているのは彼女の魂までも。
体だけでなく、激しい心の攻防も続きます。
中盤の大部分がヒーローとヒロイン二人だけ。
公爵が「運命の女」と思い定め、彼女に見せるすさまじい執着は、
反面、切ないほど。
ですが、傲慢冷酷な公爵と手練手管に長けた情婦という関係が崩れて、
悲惨な過去から、本来のお互いを見いだしたとき、
二人の関係もまた変わって行きます。
ラスト近くの活劇もドキドキハラハラ。
「ぼくを置き去りにしないでくれ。
君のいない人生を考えるだけで心臓をもぎとられたようだ」
一心にヴェリティを求める公爵が「可愛い」と思えてしまいました。
激しくて、ちょっとダークな物語にひたりたい方に、おすすめします。