佐々木丸美の本が復刊されたと今頃知りました。おめでとうございます。
実は、私はまだ佐々木丸美の本はこれしか読んだ事がないのです。
しかし他作品も復刊され、これを期に読んでみようと思います。
精神科医吹原医師のもとへ連れてこられる四人の娘達。
罪を犯した彼女たちの、不可解な異常心理に警察は手を焼き、
本人達でさえ、己をそこまで突き動かしたものを口に出来ません。
娘達の言うに言えない心の痛みを、吹原医師は詳細に解き明かしていきます。
異常心理・嫉妬・被害妄想・予知の四つのケースを、
吹原医師の助手の「私」の視点から語られます。
四つの物語は似た主題を持っています。
一見、加害者・被害者と見える者がそうとは限らず、
時として被害者と思われる者から、目に見えない形で踏みにじられ続けた者達がいるのです。
ほんの些細な事が、ぐっさりと心の傷になるというのは、誰でもあると思います。
読んでいて娘に共感しおもわず涙ぐんだり、異常に見える様の理路が明らかになるのに感心したりします。
読みやすい文章で、晴れ晴れとした気持ちで読み終わりますが、
いつ自分が傷を与える側になっていてもおかしくないな、とも思います。