小室哲哉の曲は好きなのが沢山あるけど、
自分はさほど音楽理論には興味が無いので、
そこらへんの彼なりの経験に基づく講釈がけっこう長く書いてあるので注意。
ただし、そういう彼の音楽理論も読みたい人には、
とても楽しめる本になるでしょう。
個人的には、逮捕時のエピソードだったり、
逮捕へと至る泥沼の資金繰りの日々とか、
そういう思い出したくもないであろう時期のことが、
けっこう詳しく書いてあるのが面白かった。
例えば逮捕後の取り調べで担当検事から、「I Believeは名曲ですよ」なんて言われた事や、
「まあ小室さん、ほんの一瞬だけ(天国から)地獄を見て来てくださいよ。私達なんか一生天国も見れないけど。」
なんて言われたエピソードだったり、
あとはCDが売れて売れてまさに栄華を極めてる頃でも、
心の中はまったく満たされておらず、日々の契約に追われ、
成功し過ぎてる現実がいつか終わる事を予感する自分自身に疲れ果て、
日本とロスの往復中の飛行機に乗りながら本気で「今、ほんとに飛行機が墜落してもかまわない」
なんて考えてたとか、そういう苦悩も包み隠さず書かれていました。
音楽理論には興味がないけど、その他の部分もかなり充実してたので、
誰が読んでもそこそこ面白いと思います。
彼はこの本の中でも、愛するkeikoの事をかばっています。
自分こそがやっと40にして夢が叶った子供のようなお金の使い方をしてしまい、
見栄をはり、浪費の果てにとうとう破綻した。
その性格や結末はすべて自分だけに起因する事であって、
keikoには小室自身の勝手な考えで豪華な暮らしをさせていただけという(それが優しさだと思っていた)、
そんな実態も書いてありました。keikoの金遣いについては実際はどうなのかわかりませんが、
とりあえずkeikoが同じく、小室のことを(お金じゃなく)愛してるのはなんか解るし、
彼が借金まみれになって質素な暮らしにでもまた一緒にやっていける夫婦なんだろうなと思いました。
捕まってもなお見栄を張らないというか、張るだけの強さも無ければ知恵も無いというか、
おとなしく認めて正直に謝って全部語ってしまうという、
良くも悪くも彼の子供っぽさや小心者なところが、結果、彼の事後も良好にしたと思うし、
そんな彼だからこそここまで「赤裸裸に綴った本」ができたと思うので、そこそこお薦めです。