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18 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
様々な要素をもった作品,
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レビュー対象商品: 罪と罰〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
ドストエフスキーというとなんだか暗い感じがするかもしれないし、その量からしてもなかなか読む気になれないかもしれない。でも、ドストエフスキーとか世界の名著とかっていうブランドを抜きにして、この本は単純に面白いです。あとがきにも書いてあるが、この本は色んな要素をもっている。殺人犯ラスコーリニコフが次第に追い詰められていく推理小説でもあるし、ソ―ニャとラスコーリニコフの信仰の対決と彼らの愛の小説でもある。家族の絆を描いている小説でもあるし、友情や道徳を描いている小説でもある。色んな読み方ができるので、何度読んでも飽きないと思います。
51 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「聖」と「俗」の見事な大逆転,
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レビュー対象商品: 罪と罰〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
将来英雄になるであろう非凡な人間は、それが英雄となるために避けられぬことであるならば、社会に有益でない人間を殺めても、許される。ナポレオンに心酔する主人公は、自ら築いたこの理論をもとに、高利貸しの老婆、さらには何の罪もないその妹までも惨殺してしまいます。 たしかに歴史を紐解いてみても、ナポレオンのみならず、三国志の曹操や日本の織田信長の例もあるように、既成の概念を打ち破る人間とは、とかく他人の血を流すことを躊躇いません。これら負の英雄像を、チャップリンが映画「殺人狂時代」において、「ひとり殺せば悪党で、100万人だと英雄だ」と大いに皮肉ったことはあまりに有名です。 主人公は、第一の殺人でいきなり精神的な行き詰まりに陥り、「英雄」となる前に平凡な「悪党」で終わることを恐れ、苦しむ。本書の大部分はこの非凡と平凡の狭間で揺れる主人公の心の葛藤で構成されています。 なぜなら、上記の理論は彼を支える信念であっても、殺人の動機ではないと考えるからです。生活に苦しむ自分のため、富豪との愛のない結婚へ望もうとしている(と主人公は思い込んでいる)妹への愛。そして無力な自己への怒り。それらが相まって彼を殺人へ駆り立てたのではないでしょうか。しかし、平凡な人間に殺人は大事業です。それを完遂するための心の拠り所として、かの英雄論が浮かび上がってくるのです。が、すべからく英雄とは唯一無二のもの。他者を模範に英雄たらんと望む時点で、すでに彼は英雄の資格を失っており、自己の空想の中での「聖」の立場から、現実としての「俗」へ転落します。 そんな敗者を救うのが、薄幸の娼婦という「俗」の象徴たるソーニャからの一点の曇りもない愛である、という点こそ、この物語の妙でしょう。主人公とソーニャだけではありません。帝政ロシア時代の輝ける首都サンクトペテルブルクは陰惨で気だるい空気に包まれ、その反面、最後の舞台であるシベリアの流刑地は、陽光の眩しい、さながら楽園のような場所。「聖」も「俗」も人間が作り出したものある以上、人間の意志ひとつでどちらにでも転じてしまえることを、この作品から強く感じることができます。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人間の精神の内奥,
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レビュー対象商品: 罪と罰〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
ドストエフスキーの代表作であり、その特徴である精神の葛藤の描写が存分に味わえる作品です。人間の罪と罰、そして愛。自分自身、読みながら多いに考えるところがありました。 最近の小説などは「軽く」てお手軽に読めるものが多いが、しばらくするとその内容を忘れてしまうようなものが多い気がします。 ドストエフスキーの本は、非常に重厚感があり、面白いのになかなか進んでいかないという読み応え十分な本ですね。 最近の本に物足りなさを感じている人は是非読んでみていただきたいです。 工藤精一郎の訳がまた良いんですよ。
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