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107 人中、99人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読みやすい,
By けい - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 罪と罰〈上〉 (岩波文庫) (文庫)
新潮社(工藤訳)より、こちらのほうをお勧めします。特に初めて読まれる方や、本を読むと目が疲れるという方には特に。理由は以下の通り。 新潮文庫は見開き41字×36行で上下巻。岩波文庫は見開き39字×32行 で上中下巻。紙の色も岩波のほうが読んでいて眩しく感じなかったです。 訳ですが、私はどちらも味があって好きなのですが、岩波の江川訳のほう が読みやすいと感じました。 また、江川のほうは巻末に結構詳しい訳注があり、参考になります。 この作品は著者の中で一番好きですね。これから入って他も読むようにな りました。人物の思想が絡んだ心情は実に緻密で、よくもここまで表現でき るものだ、と思いました。主人公に限らず一人一人の人間が濃いです。 一生のうちで読んでおかなければならない本だと思います。できれば若い うちに。何度読んでもその都度違った味がしていいものです。 内容は、文句無しの星五つ。読みやすさも五つでいいかと。それから文字 の大きさですが、多分同じでしょう。なんとなく岩波のほうが大きい気もす るのですが。
14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人生観が変わりました,
By P - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 罪と罰〈上〉 (岩波文庫) (文庫)
初めて読んだのが35年前、高校生の時でした。あまりの衝撃に読むのを止められず、睡眠時間を削って2日で一気に読みました。その後、ドストエフスキーの作品は全部読みました。その中でも「罪と罰」は「地下生活者の手記」と並んで大好きな作品です。今でもよく読み直します。僕がドストエフスキーから学んだのは、思想・哲学とは「解析」するものではなく「体験」するものである、ということです。多くの場合、思想家・哲学者は思想を体系的に理論化・構造化して説明しようとしますが、ドストエフスキーは思想・哲学とは客観的・第三者的に外から「説明」するものではなく、自らがその中にどっぷりつかって「体験」するものであること教えてくれました。主人公の意識の流れに身を任せて、一緒になって流れを体験することの重要性です。そうでないと本当の意味での本質には近づけない。 ラスコーリニコフが「理屈で正当化して」金貸しの老婆を殺害するときの意識の流れと、その直後にたまたま居合わせてしまった老婆の妹を「理屈でなく」殺害する時の意識の流れのコントラストは凄い。結局、理屈で考えて行動しても、偶然(居合わせた妹)に翻弄されて理屈も崩壊してしまうという現実の迫力。犯行後、橋の上からコインを川に投げ捨てて、自らを「すべてのもの」(自分を愛してくれている母親や妹)から切り離す時のラスコーリニコフの意識。でも結局は愛する者と自分を切り離すことはできないという現実。ラスコーリニコフがソーニャに殺人を告白する時の両者の心理描写の凄さ。家族のために自らの尊厳を捨てて娼婦に身を堕としたソーニャが唯一の拠り所としている信仰を「理屈」で踏みにじるラスコーリニコフ。ところがソーニャは「理屈」ではなく「心理」で反応する。ソーニャは「理屈」で信仰を踏みにじられても傷つかない。ラスコーリニコフの空しい「理屈」には惑わされない。むしろいかにラスコーリニコフが苦しんでいるかを「心理」で感じて救おうとする。 当時、数学と物理学が大好きで「論理」の信奉者だった青臭い高校生だった僕には頭をハンマーで殴られたような衝撃でした。論理というレンズだけで見ることがいかに視野狭窄症であるかを思い知らされた本です。その後の僕の人生観を変えた一冊です。 ちなみに、大学は工学部に入りましたが、ドストエフスキーを原文で読みたくて、第一外国語は迷わずロシア語を履修しました。幸運なことに当時大学でロシア語を教えていたのは江川卓先生でした。もっとも「江川卓」は訳者としてのペンネームで、大学では本名の馬場宏先生でした。50歳を過ぎた今、まだまだ頼りないロシア語ですが、原文での読破に挑戦中です。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
次に読む本がなくなるほどいい本だぁぁ,
By
レビュー対象商品: 罪と罰〈上〉 (岩波文庫) (文庫)
罪と罰には、いま簡単に手に入るものでは、江川訳(岩波)、工藤訳(新潮)、亀山訳(光文社)の各文庫がありますが、いずれも所有していて、江川訳は、 ここのレビューが高評価なので求めたものです。 じつは、恥ずかしながら、工藤訳では若きころに挫折をしていて、 ついこのほどカラマーゾフの兄弟をめでたく(?)、亀山 訳によってではありますが完読したので、亀山訳を手に入れたのです。 で、亀山訳を途中まで読んだんですが、工藤訳のような雰囲気が 感じられず、亀山訳だと確かにすらすら行くんですが、 その辺がちょっと疑問でした。いいのか、ほんとにこれで、と。 改めてAmazonで見ると、江川訳がいいみたいで、しかも、 江川訳で読めば、謎解き「罪と罰」も絶対楽しく読める、と思い、 散財ですが、結局3訳が揃ってしまいました。 前置きが長くてすいません、中身は、いろんなところであらすじが 紹介されていますし、一番興味深いところ等はレビュー で書くのも気が引けますし、やはり私自身も一番気にした読みやすさ、 という点に絞ると、全く問題なく読めます!!字も結構大きいし、 老眼気味でも大丈夫だし、言葉も極端に古くさくはないですね。 むしろある程度の古さは時代を映してそれも雰囲気だと思います。 問題の、例えば、ロジオン・ロマーヌイッチ!と、「ラスコーリニコフ」 を呼びかけるというロシア小説の父称の難しさも実は慣れてしまえば、 何でもないですし、これを丁寧な呼びかけだからといって、 ラスコーリニコフさん、という風にするのは、意味としては同じでも 字面から受ける印象が違って、味消しなようにも思います。 2週間ばかりかかって全三冊を読みましたが、次に読む本がどれも 物足りなく感じるくらいの圧倒的存在感と読後感は絶対保証ですね。 20代のころに読んでおけば、読書人生が変わるんでしょうねぇ。
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