いつも頭に浮かぶのは、犯罪被害者の無念と家族・遺族の苦悩だ。法によって加害者・犯罪者に最高の刑罰が与えられ、金銭的賠償が完遂されたとしても被害の事実(最悪の場合は死)と、滅茶苦茶にされた家族の人生を原状回復する事は出来ない。ところが現実は 納得出来ない程の軽い刑、僅かほどにも履行されない金銭賠償、甘い法体系をあざ笑うかのごとく開き直り 再犯を重ねる犯罪者、こうした事実が被害者や遺族を2重の苦しみに追いやっている。その度に日本の司法や警察組織の無能・無力振りを痛感し、言い様のない怒りと絶望感に襲われるが、本書の著者はそれらの感情を極力抑え、犯罪者が人間的に更生するなどと言う淡い幻想には目を向けず、最低でも金銭的賠償に関して必要なら一生をかけてでも償わせる為の手法を非常に多くの事実データ等から検証した上で提示している。いつ犯罪被害者になってもおかしくない現代社会に生きる我々に一つの解決策を示してくれた貴重な書と言えるのではないか。
余談であるが、刑事裁判に対する私見として「反省していないとは言えない」とか「極刑をもってしか臨めないとは言えない」などと言う曖昧な理由を掲げて温情判決を下した末にその犯罪者が一定期間内に再犯を犯した場合は、判決を下した裁判官にも何らかのペナルティを課すべきだ と感じるのは私だけだろうか。その判決によって世の中に更なる犯罪の火種をみすみす撒き散らしたのだから・・・