“罪と罰”を問うサスペンス巨編
喧嘩の末、誤って殺人の罪を犯した中道隆太は、刑期満了を目前に仮釈放となる。やがて勤務先や自宅のアパートに「この男は人殺し」と書かれた中傷ビラをばらまかれる。いったい誰が何の目的でこんな仕打ちをするのか?隆太は孤独な犯人探しに乗り出すが、彼の前には巨大な“障壁”が立ちはだかった‥‥‥。“罪と罰”を読者に問うサスペンス巨編。週間朝日好評連載の単行本化。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「手紙」とは似て非なるもの,
By gah "ガー" (神戸市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 繋がれた明日 (単行本)
殺人を犯したものの社会的制裁を巡るストーリーという点では東野圭吾の「手紙」とよく似ています。しかし、「手紙」では犯罪者の弟が主人公であるのに対し、この物語では犯罪者自身が主人公になっています。その分だけ「手紙」よりも社会的描写が薄く、ミステリー色が濃く仕上がっています。どちらにせよ、「手紙」同様に犯罪者の更正のプロセスについて深く描いているという意味で感動を呼びます。お薦めです。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
重い問題を真摯に捉えた力作,
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レビュー対象商品: 繋がれた明日 (単行本)
殺人を犯した犯罪者は服役を終えるとその罪は許されるのか? 一方、大事な人を失った被害者の思いは・・。社会面の記事にはなりこそすれ、小説といったスタイルでは扱われることは少ないと思われるこの難しい問題を、著者は真正面から取上げた。大上段に振りかぶるのではない、一人の仮出所中の青年を主人公に、彼が出所後に出会い、経験する細かいエピソードを重ねながら、描いて行く。いかにも著者らしいスタイルだ。採り上げるテーマは重いが、巧みにストーリーに展開されている。 単なるケンカのはずが、はずみで相手を殺してしまった隆太、6年超の服役後、仮出所となった彼を待っていたのは社会復帰のサポートをする保護司と事件とともに家も仕事も財産も何もかも失い萎縮したままの母親・・・。実の妹は兄を恨み、隆太自身もいまだに被害者や裁判で事実とは異なる証言をした証人への複雑な思いを抱える。自分の元を去った元恋人への思い、元遊び仲間、悪友たちと比べ貧乏クジを引いてしまったのではないかという思い・・・。理解のある雇用主の元、働きはじめたその直後、彼の周辺に彼の過去を書いた文書がばら撒かれた・・・。 主人公隆太の立場に立てば、彼の思いは理解できる。一方で、犯罪被害者になった立場を想定すると、どうだろう? 著者もうまくそこは回答を用意しているわけではない。作中、被害者サイドの人物が、隆太とその保護司に向かって言った「刑が終わったことで罪を償ったことになるのか?」という問いかけはとても重く、すぐには答えが出せそうにない。 また本書の中で「保護司」や「協力雇用主」といった更正のための受け入れ制度が丁寧に紹介されていたのが印象的。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
さすが真保裕一!,
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レビュー対象商品: 繋がれた明日 (単行本)
真保裕一の新刊が出たので早速読んでみた。「罪と罰を問うサスペンス巨編」というのがこの本の触れ込みだが、実際、主人公の気持ちを丁寧に追っているところはこの作者らしくて、「さすが!」と思わせる。犯罪を犯し、刑務所に入れられる時の気持ち、刑務所の中、そして仮釈放中の感情の変化を追っていく文章は、一気に読ませてくれる。 ちょっと前に出た東野圭吾の「手紙」とカブるところも多くあってちょっと新鮮味に欠けたのも事実であるが、とはいえ、こういう真面目な作品もやっぱり大切ですね。
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