日本は江戸時代の昔からオランダと交流がありながら、その歴史はほとんど知られていない。この本ではハンザ同盟との戦いに勝って東ヨーロッパ貿易の覇権を握ってから、スペインとの独立戦争とその海上覇権への挑戦を経て繁栄を築き上げ、その後浅慮からイギリスを敵に回してしまって衰退していく過程を、史実に基づきながら興味深く飽きさせないかなり上等の読み物に仕上げている。
著者は最後にオランダの姿に日本をだぶらせて、「日本は海洋を支配するアングロ・サクソン世界と協調していくほかはない、というのが開国以来の日本の宿命」という持論で結論づける。しかしアメリカが何をしようが協調どころか隷属しているといっていい態の国柄ではたしていいのかという問題が起こってくる。アンゴロ・サクソン万才の視点で書かれている点は注意しておく必要がある。