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繁栄と衰退と―オランダ史に日本が見える (文春文庫)
 
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繁栄と衰退と―オランダ史に日本が見える (文春文庫) [文庫]

岡崎 久彦
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

十七世紀に経済的繁栄を謳歌するものの、他国の嫉妬の的となり、凋落の途を歩んだオランダ。世界史の教訓は、日本に何を教えるか

内容(「BOOK」データベースより)

十七世紀、英国とスペインが覇権を争う中、漁夫の利を得るように貿易国として経済的繁栄を謳歌したオランダ。だが、他国の動向に注意を払わぬまま内輪の政争に明け暮れ、自己中心的な平和主義を推進するうちに国際社会での信用は失墜、英仏の嫉視を買って凋落の途を辿っていく。このオランダの興亡は、日本人に何を教えるか。

登録情報

  • 文庫: 347ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1999/01)
  • ISBN-10: 4167362031
  • ISBN-13: 978-4167362034
  • 発売日: 1999/01
  • 商品の寸法: 16.2 x 11 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 219,817位 (本のベストセラーを見る)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sirou55 トップ500レビュアー
形式:文庫
日本は江戸時代の昔からオランダと交流がありながら、その歴史はほとんど知られていない。この本ではハンザ同盟との戦いに勝って東ヨーロッパ貿易の覇権を握ってから、スペインとの独立戦争とその海上覇権への挑戦を経て繁栄を築き上げ、その後浅慮からイギリスを敵に回してしまって衰退していく過程を、史実に基づきながら興味深く飽きさせないかなり上等の読み物に仕上げている。

著者は最後にオランダの姿に日本をだぶらせて、「日本は海洋を支配するアングロ・サクソン世界と協調していくほかはない、というのが開国以来の日本の宿命」という持論で結論づける。しかしアメリカが何をしようが協調どころか隷属しているといっていい態の国柄ではたしていいのかという問題が起こってくる。アンゴロ・サクソン万才の視点で書かれている点は注意しておく必要がある。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
『繁栄と衰退と――オランダ史に日本が見える』(岡崎久彦著、文春文庫。出版元品切れだが、amazonで入手可能)は、17世紀に世界の大国にのし上がったオランダが衰退してしまったのは、驚くべきことに、イギリスの嫉妬が最大の原因だったと言い切っている。著者も「嫉妬」という人間臭い言葉は歴史の記述にはなじまないと考え、相当入念に確認作業を行ったようだが、やはり、英蘭戦争の原因はオランダの繁栄に対するイギリスの嫉妬であったとの結論を下している。

経済の繁栄と技術の優位がいかに他国の嫉視の的になり得るか、そして、その嫉妬の感情が国際的なオランダいじめの動機となり、戦争を避け難くする原因になるという冷酷な事実が、この時代のオランダ史から立ち現れてくるのである。

16世紀の世界を特徴づけるものは、ヨーロッパの膨張である。外洋航海に乗り出した「大航海の時代」「地理上の発見の時代」である。17世紀に入ると、前世紀に膨張をリードしたポルトガル、スペインの勢いは後退し、17世紀前半はオランダの黄金時代となる。16世紀末にスペインからの独立を果たしたオランダは、ヨーロッパ貿易で圧倒的優位を占めたばかりでなく、アジアにおいてもポルトガルを抑えて胡椒貿易を支配し、ヨーロッパで最も富裕な商業国家となる。しかし、17世紀の後半、オランダはその経済的繁栄を嫉視するイギリスやフランスの挑戦を受け、3度の英蘭戦争そして仏蘭戦争によって国力が衰え、ヨーロッパの表舞台から消えてゆく。

商売でも賭け事でも戦争でも、一番難しいのは降り時を知ることであり、一番危険なのは判断が甘く、降りるチャンスを失うことである。当時のオランダは、不幸なことに、国家的な見地から国際情勢を判断する中央集権的機能が欠如していたため、気づいた時はもう戦争を避ける方法がないという苦境に立たされていたのである。不断の情報収集、情報共有と情勢判断は、どの時代にあっても国家の存立に関わる大事なのだ。

著者は、17世紀のオランダ史から、現在の日本の進むべき道を探ることに力点を置いているが、戦略あっての戦術だと言う。戦略さえよければ、戦術的な失敗は取り返せる。逆に戦略が悪ければ、戦術的にいくら勝ってもいずれは負ける。むしろ、戦術的に勝ち進むほど戦略の悪さが露呈するのが遅れ、それだけ大きな破局を招いてしまうというのである。これは、国ばかりでなく企業にとっても、その命運を決する重要な問題と言えるだろう。
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By ボヘミャー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
司馬遼太郎の「オランダ紀行」でオランダに興味を持って、
クセジュ文庫「オランダ史」や「近世ヨーロッパの誕生」などを読んだが、まったく要領を得なかった。

『繁栄と衰退と』を読んで初めて、オランダ史の近世からの全体と、その重要性を理解できた。
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