「生き残れるのは偏執狂だけ」というのは、『インテル戦略転換』の原書タイトルだが、えー、やっぱりそうなんですか? と言いたくなるくらい偏執的に徹底しているプロフェッショナルの生き様の本。
『大河の一滴』『ダディ』など、出版界の前例に捉われないベストセラーを次々放っている幻冬舎の創業社長であり、角川書店時代から著名な編集者であった見城徹氏の自伝的な一冊。サイバーエージェントの藤田晋氏がブログで、飛行機の中で「いつ離陸し、いつ着陸したのか解らないほどのめり込んで読んだ」と書いているのを見て買ってみた。確かに面白かった。
自慢ぽいのが鼻につくところはあり、また、書き下ろしではなく、これまで書いたコラムやインタビューの総集編なので、記事に重複が多いのが気になるといえば気になるけど。仕事に賭ける熱い執念を呑み込んだような気分。
以下、印象に残った箇所。
「編集者は作家に対し、切り札として常に三枚のカードを持ってなきゃ駄目だと僕は思っているんです。(中略)この三枚のカードは、普通のカードではない。キラーカードでなければならないんです。(中略)考えに考え抜き、絞りに絞って用意しておくんだから、一週たりとも気が抜けない。カードを出された相手が『それを言われちゃ書かざるを得ないな』という関係も作っておかなければならないわけですからね。僕は、カードは常に三枚用意しておくんです。オーバーに言えば、三百人それぞれに三枚ずつ持っている。」
「相手が百やってほしいことがあれば、僕は『わかりました』と言ってそれが当然のように百やりますよ。僕自身がどうしてもやってほしい一つのことのために百をやる。」
「『これを書かなければ、あなたは一歩も進めないはずだ』
といって表現者たちに迫るためにはまず、自分の生き方が問われているのだと思ってきました。」
仕事人の気迫を知るためなら、序章と第三章以降読むのだけでもいいかも。第一章・第二章は、尾崎豊とか坂本龍一とかユーミンとかとのエピソードを読みたい人向け。