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[単行本]

古処 誠二
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商品の説明

内容紹介

過酷な自然、重い疲労、マラリアの蔓延――。第二次世界大戦時のニューギニアを舞台に、冷徹なまでのリアリズムで、戦場の人間ドラマを描いた短編連作集。

内容(「BOOK」データベースより)

過酷な自然、のしかかる重い疲労。死線をさまよい続ける極限状態にあって、人間が人間らしくあることは可能なのか。第二次世界大戦時のニューギニアで、前線と後方をつなぐ兵站線から、名も無き兵隊たちのドラマを描く、小説の極致。

登録情報

  • 単行本: 286ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009/8/26)
  • ISBN-10: 4048739727
  • ISBN-13: 978-4048739726
  • 発売日: 2009/8/26
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 392,599位 (本のベストセラーを見る)
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By bubyuki
形式:単行本
まず、ニューギニア戦について知りたい、というニーズに答えようとしている本ではない。その点、軍記物とは全然違う。
筆者が書きたいことは、(戦争における)人間というものは何なのか?という極めて普遍的かつ文学的な問いだ。
この普遍的な視点の導入により、読者は、かえって、遠い昔でかつもちろんほとんど知らない戦争、戦場とはどのようなものなのか、を間接的にもしかしまざまざと見せつけられることとなる。
経験したことでなければわからない、を覆そうとするのが小説であり文学の持つ大きな力であると思う。想像力を刺激することで、あらゆることを追体験させることができる、そこにこそ文学の存在意義があるのだということを改めて強く考えさせられた。実は、舞台はどこでもなんでもかまわないのだ。
読者の想像力を書き立てるには、ディテイルに誤りが混入していてはだめだ。筆者はあの戦争について1000冊以上の本を読んでいるとのことだが、特に、ニューギニア戦という題材が題材だけに、徹底した細部の舞台装置のリアルさが追求されている。軍馬に載せる鞍の名称に至るまでこだわっている。
僕は、戦記物を読んで知ったつもりになっている自分の恥ずかしさをこの本によって鋭く感じさせられた。いつのまにか追体験する、という営為を忘れてただ知識を追いかけてばかりいた。想像力を働かせることを忘れていたのだった。何のために自分が戦記物を読んでいるのか、と自問自答させられた。
たんたんとした語り口ながら、どの短編に描かれる人間ドラマも非常に面白い。むしろたんたんとしているところがよいのだろう。暑苦しくなく激情的でもない。いわゆる戦争文学というのとも違う。
ニューギニア戦についての知識があればあったで面白いし、なくても面白いと思う(あったほうがより楽しめるとは思う)。ニューギニア戦について知りたいと思う中で出合った本だが、思わぬ拾い物をした。
なお、ニューギニア戦についてある程度手っ取り早く知ることができかつ深い読み物には、地獄の日本兵、という新書がある。ぜひともあわせて読まれたい。こちらの本も違った意味ですばらしい本である。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
衝撃を受けた。

確か日経新聞の書評欄で見つけたと思う。戦場の最前線に生きる(というか死にかけている)兵士の生き様(というか死に様)を描いた短編集だが、風景の描写力はいかにも見てきたような迫力があり、複雑な心理描写も実にリアル。人間の深い業を見事に抉り出していると思う。しかもこの戦場の凄惨なシーンを落ち着いた、というか冷静な文体で描いている。これが大岡正平なら理解できるけれども、作家は実に1970年生まれと知ると呆然とせざるを得ない。これまでいったいどれだけの人生経験というか、修行というか、人間観察をしてきたのだろう?

いや本当にびっくりした。著者は戦争のみをテーマにして書き続けているそうだ。

ちょっとしばらくこれくらいの感動はなかった。

ありがとう。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
まず、戦場を知らない若い作者にどの程度のリアリティをもった描写が可能なのか、また、このテーマで、マッチョな主人公が出てきたり、逆に反戦を声高に唱えたりと、何かしら色付きなのでは、と、多少批判的な気持を抱きつつ読み始めた。

だが、すぐに引き込まれた。江戸時代を舞台にした時代小説が、戦場を舞台に変えたという印象を持った。これを本当に兵士としての経験がある方々が読んだら、どう感じるのかは知らない。だが、これは時代小説の人情劇なのだろう。どの作品にもいわゆるオチのようなものがある。今ではどんなものか、ほとんどの人が知らない個々の小道具も正確に扱われて、リアリティを感じさせる。

どれもおもしろかった。「生木で作った墓標」の最後のシーンは素晴らしいと思ったし、徴発された馬を扱った「たてがみ」は、大昔に読んだ三好達治の詩「列外馬」(といったか?)を思い出し、涙が止まらなくなった。だが、決してウエットにならない。抑え気味の文体がこの題材には実にぴったりしている。

自衛隊出身ということで、第二の野呂邦暢という感じか?
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