初めて森脇さんの名前を知ったのは、高校生の頃で、雑誌「ぱふ」で「ドラマー」が取り上げられていて、当時、森脇さんが描かれていた雑誌「プチコミック」を買うようになりました。
個性あふれるキャラクターたちも魅力的でしたが、何より驚いたのは、絵が達者という事とストーリーの新鮮さでした。シリアスなストーリーの時でも、関西人特有のユーモアーのセンスなどで読ませてしまう作家さんでした。
ヴォーカルの弘は10代で、別の雑誌に数年後に掲載されたショートストーリー「笊(ざる)の神経」では、森脇さんは弘について、「身長、女の子だったら良かったのに、学校はおちこぼれちゃってバイバイ」と書かれていました(笑)才能にあふれ率直なもの言いをする弘ですが反面とてもデリケートで、弘が唯一心を許しているのはバンドのマネージャーの水野で、それも徐々に弘もそれなりに成長していく姿が描かれています。そしてキャラ1人1人が立っているのも魅力的でした。
何より凄かったのは、ライブシーンの迫力でした。ロックバンドでこれほどリアリティのあるコミックでの描写にそれ以後わたしは出逢っていません。「ドラマー」に登場した八角は「女の子ストーリー」で主役として描かれています。ちなみに「グリーンティードリーム」と読むのですが、「リョクチャム」と呼んでいる読者がいることについて森脇さんは「通だなぁ」と感心しているようでした。
森脇さんを商業誌で見かけなくなってしまい淋しいですが、本当に多種多様な顔が描ける稀なコミック作家さんなので、ゲームやアニメのキャラデザインなどにとても向いていると思います。本音をいえば、作品が読みたいです。