監督はメル・フェラー。オードリー・ヘプバーンの夫です。夫婦共同作。監督のフェラーは俳優、ダンサー、プロデューサー、監督など様々な仕事をこなすオーソン・ウェルズのような才能を持っていたが、何でもそつなくこなすことから、結局才能を1つにしぼれず、すべて一流になれなかった残念な男なのです。ヘプバーンは結婚したてだったので、そんな夫を天才だと信じてしまったわけです。
この作品が、世に存在すること自体、間違っている。映画というジャンルにあることも信じ難い。
元々、「緑の館」は原作小説があり、監督は物語の主人公、森の妖精役は、妻が適役と判断し、馬鹿馬鹿しい撮影がスタートしたのである。
緑が茂るアマゾンの奥地に住み、そこにやってくる男たちを誘惑する魅惑的だが汚らわしい妖精をオードリーが演じ、奥地に冒険にくる青年をアンソニー・パーキンスが演じた。始終緑色の画面を見せられ、オードリーのファンを失望させるような映画。妖精役は確かに適役かもしれないが、あくまでオードリー・ヘプバーンにしか見えないし、神秘性も何もなかった。
アンソニー・パーキンスに青年役をやらせて、彼の才能を開花させるどころか、逆に潰す結果となった。
この映画を観て、しばらく緑色が無性に嫌いになった。
監督の悪趣味を疑った。夫婦の愛があったから、完成まで辿り着いたのだろう、だが、完全な失敗作は、金銭的にも苦しい結果となった。以後、フェラーは二度と監督活動をしていない。オードリー・ヘプバーンが、同年の作品「尼僧物語」でかなりの収入を得たので、赤字は何とか補えたらしい。
なるべく見ないほうがいいと思う。