「白い果実」「記憶の書」に続く三部作の完結編。
さすがは世界幻想文学大賞受賞といったところでしょうか。
その奇妙で美しい世界に引き込まれました。
作家のイマジネーションというものはすごいなあと。
「白い果実」の山尾悠子訳が格調高かったので、
「記憶の書」でちょっと文章のレベルが落ちる気がしますが、
内容としてはむしろ「記憶の書」からが本番で、この「緑のヴェール」
ではこれだけで映画にでもできそうなほどのスケールになっています。
「緑のヴェール」がいちばん冒険色が濃く、“彼の地”を目指すクレイと
犬のジョンの旅路が語られます。観相官であったクレイもすっかり人が
変わったような狩人ぶりでした。
いわゆるライトファンタジーなどのおかげで、ファンタジーという言葉を
敬遠している人には試してもらいたい一冊ですね。
もちろん「白い果実」から。