そしてもうひとつは,世界中からやって来る人々を簡単に飲み込む懐の深さ。豊かに繁茂したサトウカエデやオークの森など,瑞々しい湿地に覆われたマンハッタン島の姿もイキである。だから,ニューヨークでは何が起こっても不思議はない。
著者は1997年の8月から98年7月にかけて,ニューヨークはコロンビア大学に研究員として在籍。そこで垣間見た環境保護活動家たちとの「人間以外」の生命をめぐる価値観や活動について真しに詳述した。つまり,体験的米国文明論の趣もある書である。
とはいえ,決して肩肘張って読むべきではない。著者自身が経験した「知的スリル」やおびただしい数のジレンマ,そしてちょっとばかりの生活上の冒険が満ちているからだ。予備知識は要らない。奇人変人の類の登場に驚かない心の準備はしておこう。
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