原著の出版が2000年といささか古いが、これだけのものを翻訳をするには、いささか時間がかかろう。この本の圧倒される部分は、第15章ウィングの「アスペルガー症候群に関する研究の過去と未来」の「著者は箱を開けてしまったパンドラのような気分である」というところである。この記載は、実情を知るものには非常に重いものがある。
さて、お気づきの人もいようが、誤訳の指摘をしよう。
P123
また、アスペルガー症候群の人は言語性IQのスコアよりも動作性IQのスコアが有意に高かったのに対して
これは言語性と動作性を反対に訳している。これについては、引用論文をチェックして確認済みである。ほかにも、訳に問題があるが、パソコンで訳語を統一している現在、基本的な誤訳は生じないと思うのだが、監訳者は、本書を一読したのであろうか。