連日の原油価格の高騰,そして下落が報道されているが,その上がり方に比べたら,日々の生活ではまだまだ物価の上昇幅は小さい.原油が上がっても,円高の影響もあるので緩和されている.従来の石油危機と比べても冷静なのは,それでも,省エネや企業の努力により克服してきたという過去の例で楽観視できるからであろうか.
本書は,原油価格のメカニズム,業界の歴史,オイルマネーの行方など,網羅的に原油を取り巻く状況を解説している.新聞での報道は断片的であるのに対し,本書のようにデータを様々な指標から解析することは需要である.結論として,必ずしも今回の高騰は特殊な状況でもないことがわかる.
日本は,省エネルギーでは進んでいるという認識でいたが,その省エネルギーもペースが鈍っているのも事実であり,新たな投資が必要とも言える.