タイトルには「デジタル教育」とあるが、デジタル教育について書かれているところは、最初と最後にわずかばかり。題名と中身が乖離している。羊頭狗肉、針小棒大といわざるをえない。著者の教育観にも疑問を感じた。「私は教育の基本はコミュニケーションではないかとの思いを持っている。」(P.28から引用)この基本線にそって、コミュニケーション能力が退化しつつある現代日本の若者を憂慮するのはわかるが、学校=コミュニケーション能力育成の場(だけ)、というのは、実態を知らない極論と思われる。基礎学力の保証については否定的で、「『正解』と『間違い』だけを教えるのなら、学校はいらない。」(P.48見出し)と片付けている。無批判に「百ます計算」や「よのなか科」といった教育実践を賞賛している。ただ、教育改革の大まかな流れを把握するのには便利な面もあったのが唯一の長所。本のタイトルは「田原総一朗、教育を語る」とでもしたほうがよかったのでは?