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42 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
可愛らしい絵によって表された、深刻な悩み,
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レビュー対象商品: 綿の国星 (第1巻) (白泉社文庫) (文庫)
主人公のちびねこは、捨てられていたところを悩める高校生の時夫に拾われる。ちびねこは自分はいつか人間になると信じており、人間の時夫を愛する。だが時夫は同じ人間の女の子に恋心を抱き、さらにちびねこは美猫のラフィエルに猫は人間にはなれないことを聞かされる……。『綿の国星』がよく「猫の姿を借りて少女の内面を見事に描いた」と評されるのは、少女の初めての「理想と現実の衝突」をうまく模しているからである。人間になれないということを知ったときのちびねこの悩みは、おそらくどんな人も中学生頃に味わったことのあるものではないだろうか。その悩みは初めてであるがゆえに、真剣であり、妥協がない。それに比べたら自分の行く末に対して漠然とした不安を抱く時夫の悩みは「下劣な悩みだ」とラフィエルに評されてしまうのである。(もちろん時夫の悩みも大変だろうけど) 一切が可愛らしいふわふわした絵によって進んでいく。だが大島弓子の絵は感情の密度が濃い。余白にも、ベタ塗りにも、何かの感情が表されているようである。とくにラストで精神的に成長したちびねこの独白部分は圧巻である。この表現こそが大島弓子の醍醐味だと思う。 『綿の国星』はシリーズ化したが、第1話がいちばんのおすすめ。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
時代(とき)を超えても,
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レビュー対象商品: 綿の国星 (第1巻) (白泉社文庫) (文庫)
実はこの作品を読むのは2回目です。最初に読んだのは10年以上も前。 その間、時代背景や自分自身の環境なんかも変わったのに 変わらずというか、+αの感情が加わって 以前よりももっと楽しめました。 一度読んだ人も初めての人も
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
なんて素敵な猫ファンタジー,
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レビュー対象商品: 綿の国星 (第1巻) (白泉社文庫) (文庫)
予備校生の時夫(ときお)に拾われて、須和野(すわの)ファミリーの一員になった生後二ヶ月の牝猫「チビ猫」が主役のファンタジー。チビ猫の驚きや悲しみ、心細さ、切なさや好奇心なんかが、実にやわらかな、自由な眼差しで描かれているのが、うわーい♪ 素晴らしかったなあ。そんじょそこらのファンタジーには及びもつかない、ファンタスティックで、魔法の息吹が通っていたところ。本当に素敵! 読んでいて、どきどきしてきました。絵もいいんだけど、それ以上に、詩情にあふれるリリカルな文章や台詞がいいですねぇ。次の文章なんかブラッドベリ風で、実にいいじゃありませんか。 「闇はむらさき色になり 月は満月に近づき 遠くで風が 高い波長で カモーン とよんだ」 タイトルの「綿(わた)の国」とは、美しい銀猫のラフィエルの台詞にある架空の国。「まっしろで 身も心もしずみこむようなすてきなかおりがする一面の綿の野 そしてそこには目もさめるような美しい猫のお姫様がいて たどりつくとやさしく接吻してくれるんだとさ」と、ラフィエルがチビ猫に言うてました。 五つある収録短篇の中では、四番目の掌篇「ミルクパン・ミルククラウン」が、私は一番好き。マザー・グースみたいな謎かけ話の魔法めいた空気が、素敵に決まっていて、しびれましたあ。
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