怪獣ブースカのぬいぐるみに語りかけながら眠る40歳、大槻ケンヂの新作エッセイ。
ここまで多作だとそろそろ質が落ちてきてもおかしくないのに、まだまだクオリティを保っててさすがだなあと思う。
特に良かったのは、おバカ映画評論家の彼にあの問題作「デビルマン」の出演依頼があった話と、全国に衝撃を与えた殺人犯に「彼もロックをやればよかった」と真剣に語る話。
この人の「もてない男はだまされたと思ってロックをやってみろ」という主張は、10年以上も前に書いた小説「グミ・チョコレート・パイン」で訴えてたことと全く同じなのに驚く。
あれからずいぶん経ったけど、まだ、さえない、もてない青年たちに救いの手をさしのべ続けているのか。本当に優しいんだから。ちょっと感動してしまったじゃないか。
欠点としては、単純に量が少ないのと、時事ネタが多い。今はすごく面白いけど、一年後に読めば★は三つくらいになってたと思う。そのくらい鮮度が命の本です。
もう発売されてからそこそこ時間が経ってしまったので、賞味期限的には今がギリギリでしょう。もし少しでも興味があればなるべく早いうちにお召し上がり、じゃなかった立ち読みしてほしい。
そしてうかつにも「ぷっ」と笑ったり、内容に感心してしまったりしたら、おとなしく負けを認めて(?)レジに持って行きましょう。