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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
コミットを離れて,
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レビュー対象商品: 続 羊の歌―わが回想 (岩波新書 青版 690) (新書)
「羊の歌」を読了したことで続けて本書を手に取った。「羊の歌」が 加藤周一を読む初めての経験であり 本書が二冊目である。読んでいて頻りと コミットメントという言葉を思い出した。 本書から見えてくる著者は ある種の「傍観者」に徹している。彼は 「条件付きではない答えをもとめることは無駄であり、意味のある答えは条件つきでしかありえない」(149頁) と言っている。ここで著者が言っている事は ありとあらゆる事象は それを考え感じる人の立ち位置(=条件)によって変わるものであり それを真理化することは出来ないという一歩引いた姿勢を意味している。 実際 本書で語られる「旅」において 著者は常に 一歩引いた位置から 物事に目を凝らしている。 見方によっては その時々の事象にコミットしていないという批判もあり得ると思う。しかし そもそも その人の立場からでしか 物事にはコミット出来ないわけだし それが目を曇らせるものだとしたら コミットを出来うる限り離れるというのも 一つの強靭な意思だとは思う。 二冊読んだ感想として 著者の本は非常に面白いということだ。これからも ゆっくり加藤周一というお方の本を読んでいきたい。
30 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
第一級の日本語,
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レビュー対象商品: 続 羊の歌―わが回想 (岩波新書 青版 690) (新書)
生前、渡辺一夫が「日本語の散文のなかで最も美しい文章」といい、吉田秀和が現在、「知性と感性の絶妙な文章」と評し、各国語に翻訳されている(英語版を小生は読んだ)名文。弊塾は、高校生や大学生が通う私塾ですが、かれらに何時もすすめる教養書兼「日本語作文テキスト」は本書です。これを用いて、たとえば「審議未了」の箇所を輪読すると、その音声リズムと思想的内容の盛り上がり、そして言葉のリズムと思考の緻密性とがひとつの音楽として聞くものの心に深く染み入ります。これは英文では経験できません。小生の英語は覚束ない。 小生が、本書を強くおすすめいたす理由は、上記のとおり、昨今の乱れた日本語と,「作家」と称する物書き連中らのいい加減な日本語で綴られた本を、高いお金を出して読まれることへの反省を持っていただきたいからです。こういう本を、是非お読みいただき、物事を正確に考えること(日本語で)、その本当の形を体験していただきたいと、思います。
21 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
美男子で、しかし高潔な,
By 小谷野敦 (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 続 羊の歌―わが回想 (岩波新書 青版 690) (新書)
東京の裕福な家庭に生まれ、古典的な教養を幼い頃から身につけ、東大医学部卒の医師であり、美男子でありまた才能豊かな加藤周一の、成年以後の自伝である。そこには、表題からは意外なまでに、女性関係の話が出てくる。京都にいる女と恋をしていた加藤青年は、イタリアで出会ったオーストリア人女性と恋におち、遂には京都の女に別れを告げる。しかもこれを綴る文章は、時おり西洋語的なジョークの口調を混じえ、高尚な教養を滲ませ、気障ととられても仕方がないのに、全体が静かな響きをもって、厭味である、として本書を一蹴させることがない。それは今日に至るまで、国家的褒賞を一切受けない加藤の高潔な魂が本書に流露しているからであろう。
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