大相撲には元来「八百長」など存在しない。あるのは「阿吽の呼吸」という美しい伝統だけである−−。という、かなり刺激的な主張から始まります。大相撲の歴史と伝統を踏まえ、「相撲=スポーツ」という前提に疑問を投げかけます。前提自体を見直すことで、問題の解決法、解釈に新しい視点をもたらします。
プロ野球、五輪招致問題などについても、政治や歴史を解説しながら、現在の問題を捉えているので、非常に説得力があります。表面の事象だけを追いかけていては、ワイドショーのネタにはなっても、現実は何も変わりません。
とりわけ興味深かったのは「オフサイドはなぜ反則なのか」という問題提起。この謎を意識化したときが、スポーツライターとしての玉木さんの分岐点になったようです。ワールドカップで盛り上がった皆さんが、こうした問題を真面目に考えるようになれば、日本のスポーツ事情は大きく変わっていくかもしれません。もちろん良い方向に。