内容はわりとファン向けなのだが、なんといっても演奏が非常に生々しくていい。特に椎名の歌い方は最高の出来だ。
1枚目は虐待グリコゲンのライブ(2000年「下剋上エクスタシー」から)。のちの3rdカルキ精液栗の花にも収録された1-1はギターばりばりの狂騒状態でやっぱりこっちのがかっこいいし、得意のミディアムハード1-2も陶酔感あり。タイトルが文字化け(わざと)してる1-3(実は1stの「同じ夜」)は「どうもありがとう。では、お聞き下さい」って何か純な椎名のMCが泣かせるスタートで、演奏もピアノと痛絶な歌がもうこれ以上ない最高さ。絶対アルバムバージョンよりいい。
2枚目は1999年ライブの「学舎エクスタシー」のライブ曲のスタジオ録音。2-1はファンに人気の名曲、得意の男主人公歌で、必死に自分の正気さを歌う狂気さ?は泣けるほど。
3枚目は「御起立ジャポン」のバンド「発育ステータス」のライブから。女の子バンドで、一番思いっきりライブハウスしてる録音にパンクっぽい演奏、歌詞も少しコミカル。バンドに合わせて歌い方が変わる椎名林檎の余裕の技量を思いっきりみせつける。これが作為的でなくて自然と胎内から発せられる感じが稀有の才能。3枚目の聴きものは、なんつっても2-2の「ギラリズム17,8男子、チラリズム18,9の女子」ってとこがいい感じ。
というわけでどれもまさに椎名林檎のまさに絶頂を集めたタイトル通りの傑作なのだ。そして絶頂過ぎて痛々しいほどの歌は、やはりこうやってバンドごとに3枚に分けないと、テンションが高すぎて詰まってしまいそうだ。
フルアルバムだときちっと構成しなければいけない義務のようなものがあるが、この3枚組によるほったらかしたような生々しさには、個人的に一番椎名林檎の天才が出てると思う。椎名林檎の最初の1枚にはおすすめしないが、「次は?」と言われたらこれをすすめる。そしてこれが気に入ったらきっと戻れないと思う。