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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
消えつつある季語だからこそ,
By undershrine (愛媛県八幡浜) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 絶滅寸前季語辞典 (ちくま文庫) (文庫)
もはや日常生活の中では感じられなく、また見られなくなった風俗・習慣等から来る季語が満載されています。著者がこちらの文庫本か続編たる続・絶滅寸前季語辞典だったかにお書きになっていたと思いますが、 消えつつある言葉だからこそ、その消滅寸前の言葉で一つでも多くの句を作り、 言葉の散り際、一花でも多く句として咲かせてあげるべきではというその考えは面白いと思いました。 どうせ消えゆく言葉なら一思いにバッサリと断つ、というのは言葉、および その言葉を使っていた先人に対する無礼に他ならないでしょう。 我々は季語を使ってやっているのではなく、先人がその生活と共に積み上げてきた財産として 歳時記中の季語たちを使わせてもらっているのですから。 しかし本書からはそんな死語の追悼会場のような抹香臭さは全く感じられず、正に紹介文の通り、 「教養も素養も広い知識もなにもなくても、読めば笑って楽しめる絶滅寸前季語辞典。 役に立ちそうで実は相変わらず役に立たない」という雑学本の形で軽やかに仕上げられています。 日々そばに置いて暇のたびにパラパラと眺めるのに最適です。 俳句作りは、想像力による飛躍でどこまでも補うことができます。本書か続編かの「落穂拾い」の章では著者が、 「もう目の前にない季語だからこそ、未来の俳人達がそこに想像力を大きく食い込ませ、 素晴らしい句を作ることを期待する。現実を超えた現実感を表現できるのが俳句」と いう内容のことも仰っていたように記憶します(脚色があるかもしれませんが)。 現実感というものはその題材が今現実に存在しているかどうかよりも、 俳句を作る人ひとりひとりが(題材が目の前にあろうとなかろうと)想像力と感性によって その形を与え、俳句という形で結実・表現した時に始めて立ち現れるものなのかもしれない、 と本書を読み思いました。
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