本書で紹介されるのは近代に史実として残っている動物の絶滅経緯と、11,000年前の氷河期の終わりに発生した大型哺乳類の大絶滅である。前者はともかく、後者については6,500万年前のような気象の変化に起因する絶滅だと思っていただけに、その理由は意外であった。
レッドブックという絶滅危惧種の動物リストがあることは、WWFの活動と共に知っていた。しかしこれほど絶滅動物の種類が多く、しかもそれが現在進行形だということはどういうことなのだろうか。野生動物の保護を進めるのに保護区域などを設けても、野生動物の生息地域が分断されて行動範囲が狭くなることで、食物連鎖の維持が出来なくなったり、近親相姦が進み遺伝子異常が発生して子孫が残りにくい。こういう説明を読めば理解は出来るのだが、人間中心の恣意的な考え方がすべての原因となっていることは納得できない。これは人間が地球の自然の中には本来居場所がない、という意味なのではないだろうか?
本書はNHKの特別番組の取材を元に編まれたものである。文章はTV番組のカット割りのように、短くて切り替わりが早い。したがって読む方もTV番組を見ている気分で、軽く、あっという間に読むことが出来る、ただし、その内容はずしりと重い。