右ページにカフカの文章、左ページに編訳者の頭木さんによる解説という形式で、見開き完結で進んでいきます。
カフカの文章は、短いものは2-3行、長いもの8-9行程度なので、カフカを詳しく知らない人でもスーッと読むことが出来ます。また、訳にも様々な工夫が施され、非常に読みやすいものとなっています。
一般の人にも読めるものを目指した本であり、その試みは成功していると思われます。
ページをめくるごとに、読む人は、カフカの人柄などを知りつつ、日々の仕事や生活に疲れた心が少しずつ慰められていることに気がつくでしょう。
その慰め方は、蹲っている自分と同じ場所にカフカが蹲り、自分と同じかそれ以上の絶望や悩みを共感するというものです。
本書でカフカに興味を持たれた方は、次は、編訳者の頭木さんの「逮捕+終り―『訴訟』より」(創樹社)へと読み進まれることをオススメします。