若者論の歴史,幸福度の調査から導き出された結果等などは目から鱗が落ちた。本書によれば,現在の若者と定義される人たちは,本田由紀も驚いたことに幸せであって,だから不遇な状態に置かれていても立ち上がらないのだそうだ。一方,社会のために立ち上がる若者の実態についてもインタビューを交えながら紹介しているが,デモ活動をしても的を得ないもので,祭り気分を味わいたい,仲間と一緒に盛り上がれる居場所が欲しいというだけだというものだった。ネット上や一部の雑誌では多少美化されて伝えられているだけに興味深い実態だ。
幸福の真相について迫っているが,お先真っ暗の裏返しであった。題名だけを読むと反感を持ってしまうが,よく追求されている。しかし,次にあげる疑問が残った。
・若者論は「大人の自分探し」「自己の確認作業」と定義つけるのは違和感を覚えた。異質な他者を認められない傾向があるのは理解できるが、大人だけでなくどの世代もそうではないだろうかと。(第一章「若者」の誕生と終焉)
・出会ったことのない人々で構成された集団を応援し,遠い地の痛ましい事件に心を痛め、政治を気にすることを「おかしい」と断定しているのは、いかがなものであろう。(第三章 崩壊する日本)
・日本における餓死者数に対する数字の扱い方で,「二〇〇九年には一六五六人だっだ」と述べているが、餓死問題を,単なる数字上の問題だけで扱ってよいのか。(第六章 絶望の国の幸福な若者たち)