「絶対貧困」。
この題名から、私はもっと悲惨で救いようの無いスラムの人たちの生活を
取り上げたルポだと先入観を持って読みました。
しかし、この本の中身はリアルで救いようのない部分は消し去れないものの、
どこか暖かく、その貧困にあえぐ人たちを様々な観点で見つめてきた著者の
思いが詰まった本だということに気づきました。
世界の5人に1人が1日1ドル以下で暮らしているらしいです。
4人に1人がまともな飲み水を確保できないそうです。
貧困にあえぐ人たちは、生後0ヶ月の赤ちゃんをお金で借りて、人から同情を引き
お金を得る手段にするそうです。
自力で生きる術を持たない子供たちはたとえマフィアに目をつぶされて、
盲目の物乞いを強制させられても、それでも、マフィアから離れることはできないそうです。
他に生きる場所が無いから。
「生きる意味」「働く意味」を考える余裕がある社会で生きていることが
どれだけ幸せなことなのか、この本を読んで気づかされました。
路上で暮らす人たちは今日のその日を生きる為も生きている、
例え目をつぶされても、四肢がまともでなくても、
ただ「生きるために生きている」のですから・・・。
自分の小さな悩みのひとつひとつは、この国に生まれたことに感謝するだけで
消えていってしまう気がします。それだけ私たちは恵まれています。
著者はスラムの人たちと寝食を共にし、出来る限り同じ目線に立つことで
貧困をただ悲惨に捉えることなく、そのような生活を強いられている人たちも
自分たちと同じように笑って、恋もして、人生の楽しみを味わおうとしていると
「悲惨さ」以外の貧困の見方も与えてくれています。
貧困の根絶は非常に難しいことですが、この本を読んでせめて私自身、
貧困問題はどこか違う世界の話としてフタをしないで、
貧困問題に興味を持とうという意識が更に強くなりました。お勧めの一冊です。