本書は、タイトルのとおり、英語の発音をマスターするために正しい発音の
仕方や、著者が考案した発音練習メソッド等をまとめた本である。
具体的には、発音がなぜ英語習得上非常に重要なのかという点や、英語の音
体系と日本語の音体系の比較から得られる、日本語母語話者が特に気をつけ
るべき英語発音のポイント、日本人が苦手とする子音の発音ポイントと練習
メソッド、母音の発音と練習メソッド等が中心に書かれている。
最後には、著者が考案した「ポンポンメソッド」によって、英語らしいリズム
を身につけるための練習や、キング牧師のスピーチの一部、カーペンターズ
の歌まで掲載されている。
本書で出ているエクササイズは、著者の前著『英語授業の大技・小技』、『
英語授業の心・技・体』、『ENGLISHあいうえお』等でも紹介されているもの
が中心であるが、ここまで丁寧に、一歩一歩正しい発音が身につくように配慮
された本書は、「著者の発音指導の総まとめ」的な印象を受ける本である。
本書で書かれている発音に関する内容は、言語学や音声学の学識に則ったもの
であり、論理的で説得力がある。また述べられている内容は、割と細かく、
読んでいるだけでも発音を理論的に習得できる点でも勉強になる。
かなり精緻に書かれた本だけに、中学生や高校生が読んだ時には、やや「細か
すぎる」印象を受けるかもしれない。著者からすれば、「中学生や高校生だか
らこそ正しい発音を」ということであろうが、仮に中学生や高校生が高い発音
力を身につけたとしても、学校で教えている教師の発音がいい加減では、効果
は半減であろう。その点を鑑みると、英語を教える立場にある方こそが特に
読むべき本であると言えるかもしれない。