裏側までしっかりと練られた世界観、バラエティ豊富なキャラクター設定、少年コミックの王道を往くが如き熱いストーリー展開、独自の設定を充分に活かしたアクションシーン、そこに作者・椎名高志氏らしいセンスが炸裂したギャグ・エロ・パロディと言ったお笑い要素をふんだんに詰め込んだ、非常に内容の濃いエスパーバトルアクション&ギャグコメディな作品。シリーズ第6巻です。
前巻で皆本が属する"超能力支援研究所・バベル"に対抗する組織として、兵部を中心とした"エスパー解放のための革命組織・パンドラ"の姿が描かれ、皆本と兵部の対立図式が明確化された訳ですが、それを受ける形で、今巻ではこの両組織の実態を、それぞれの組織の中心人物を通した形で描いていますね。前半はパンドラサイド、後半はバベルサイドとなっています。
パンドラサイドでは、兵部京介のキャラクターが浮き彫りとなります。少々のヌルさを描きつつも、ハードな部分もしっかり描写されており、彼のキャラクターに深みを与えていますね。また薫に、物語の根幹に関わりそうな性格付けが付加されている点にも要注目。
一方後半のバベルサイドでは、パンドラの兵部に相当する新キャラが登場し、皆本とチルドレンの関係に大きな波紋が起こされます。既に明示されたカタストロフを回避する為、新キャラ・蕾見が採った方策に色々な意味で興味をそそられます。
次々に新キャラを登場させて読者の興味を引き続けようとする、少年コミックでよく見られる手法が採られていますが、それぞれの新キャラが目先の奇抜さのみを目的としたキャラではなく、しっかりと必然性を持ったキャラとして描かれていますので、今の所全体の濃度が薄まる気配はありません。新キャラを増やしつつも、メインキャラを裏に押しやることなく、ナオミやヤマダコレミツといった"いい味"のキャラもしっかり活かされている点等"キャラ配置の妙"が楽しめる作品ですね。