今巻は、ティムとバレットと葵が大いに活躍しておりました。普段サポート役に回ることの多いこの面子、けれど彼等、彼女等にだって背負っているものはある。先の2人は本編で既に語られた通り重いもので、葵も弟のことやら何やらでやはり思うところはあって……。こんな面子が仲間の危機に際し、そうした自身の思いを元に懸命に助けようという姿――カッコ良かったです。
しかし兵部も、ツンデレというか素直じゃないというか手段が婉曲に過ぎるというか……。危機に陥っている皆本相手に毒舌吐いて冷笑して見下して挑発して、その癖やっていることは実際はそんな皆本の手助け(にしか見えず)。過去の仲間の裏切りに絶望し、エスパーとノーマルの戦争の起こる未来に絶望し、兵部はそんな絶望しか見えない中皆本に対し「僕の言うことに文句があるなら、このか細い希望の糸を登りきってみな」と蜘蛛の糸を垂らしているようにどうにも見えてしまいます。
薫の例の力が常にエスパー達みんなを守っている描写が意図して多く描かれ、そこに今回葵も加わったかなと読後の感想としてはそんな感じだったでしょうか。「いやらしい」感じのする黒い幽霊の新たな敵も、気になるところです。SUPPLEMENTでの紫穂とナオミの扱いに大笑いした27巻、次巻も楽しみです。