本書は、湘南長寿園病院院長で、長年認知症患者を診てきた著者が、認
知症治療の最前線を紹介するとともに、これまでの臨床経験から、ボケ
やすい生活習慣とボケにくい生活習慣を中心にまとめたものである。
本書の構成としては5章構成になっており、認知症に関する諸言から
始まり、現在の認知症治療で明らかにされていること、ボケやすい職業
や性格や生活習慣、ボケないための生活習慣、家族がボケてしまった時
の対応などが書かれている。
ボケやすい職業に関しては、「公務員は〜である」とか「営業マンは〜
である」といった、職業と人間性を安易に結び付けすぎている感も否め
ないが、本書では、ボケは生活習慣によって発症するものであるという
視点に立ち、定年になっても、自分がわくわくする趣味を持っていたり、
外見に気をつかったり、料理をしたり、社会に積極的に交わったりして
いくこと等、ボケないためにすぐにでも実践できる生活上のポイントが
示されているのが有難い。
認知症は進行性の病気であり、現段階では進行してから治すのは難しい
とのことである。ならば、本書の中でも述べられているように、家族が
早期発見をすることが大切であり、その段階でとどめることができるのが
本人にとっても家族にとっても望まれることである。認知症に対する理解
を高める点においても本書は有益なものになると思います。