絶園のテンペスト第5巻。この間は帯にも「世界の命運をかけたラブコメなのか!?」とあるように、ラブコメ中心の巻です。
前巻で真広と吉野が別々に動き出しましたが、5巻では完全に真広サイドと吉野サイドに別れて物語が進行していきます。
真広サイドでは、絶縁の魔法使いの話が中心になっていきます。そして、そんなシリアス展開をガン無視して吉野と葉風はラブコメしてます(ぇ
ところで。本作のジャンルは、城平氏によると「SF」とのことです。SF、そう「少し不思議」ですね。
藤子・F・不二雄氏の言葉を引用しつつ、本作はファンタジーにしては理屈っぽくて、サイエンス・フィクションというには科学的な雰囲気がない。
そして、ミステリというには世界のルールが不安定。なので、この作品を言い表すのに適当なのは「少し不思議」ではないか、と述べています。
(「少し複雑」でも「そっとふざけている」でも可、とのことですが」)
個人的には上記に加えて、ラブコメの要素も気になります。城平氏の作品は『スパイラル』と『ヴァンパイア十字界』位しか
読んだことがないのですが。氏の作品において、ラブコメ的・恋愛的な要素はあくまでオマケっぽい扱いが多いと思います。
(ヴァンパイア十字界においては重要な要素な気もしますが、本質的な要素はそこではない気がします)
ただ、この作品ではそうもいかないと思うのです。愛花を巡る真広と吉野。そして吉野への思いを募らせる葉風。
なにより、シェイクスピアを引用している本作で、男女の関係性を描かないわけにはいかないはずです。
もちろん、それが全てになってほしいというわけではありません。むしろそうなってしまったらつまらなくなると思います。
ただ、スパイラルのように読者の解釈にかなり任せてしまうような結末は、今作ではできないと思うのです。
吉野と葉風にしろ、真広と愛花にしろ。
そこら辺も含めて、この作品がどのような結末を迎えるのかが楽しみです。
星を一つマイナスした理由ですが。「絶縁の魔法使い」の衣装が・・・さすがにもっとカッコイイのがあっただろうと(笑)
全体的には、物語が加速しているのを実感できるしとても面白かったです。