店癒着料理評論家やヨイショライターの駆逐を目指し辛口レストラン批評を展開している友里征耶氏(http://tomosato.net/weblog/)のお勧め飲食店本。よく「ヨイショライター」が使用する「絶品」「秀逸」などのような言葉で文章を濁してなくコメントも的確です。一番最後の「良いレストランを探す5ヶ条」も興味深く拝見しました。
この本の良いところは、
1) 一番最初に友里氏の個人的好みも含めを評価基準を明確にしている点
本の最初の方に「評価の基準について」というセクションがあり、「デザート類は評価対象外」「柔らかいのと美味しいのは別次元」「和食は濃い味調理や創作料理を低評価」「低温ロースト(長時間ロースト)をウリにする店を低評価」などなど、友里氏の評価基準が記載されています。最初に評価基準を明確にしているのでその後の個別店のレストラン評も非常に説得力のあるものになってます。
2) アルコールの値付けが書かれている点
外食好きの人にとって「店で酒を飲みすぎて支払が思った以上に増えた」という事例は少なくないと思います。支払額の予測の精度が上げる点でアルコールの値付け掲載は、この本を実用的なものにしています。
3) 場に飲まれていない点
高級レストランにほとんど行かない人がレストランを感想を書くとき、「美味しかった・まずかった」「○○は絶品だった」など、例えば10段階で評価してよいものを1点と5点と10点の3段階位でしか評価できてなかったり、店の客の入りなどの先入観が味の良し悪しの評価に入ってきたりして、私は閉口してしまうこともあるのだが、少なくともこの本に関しては、その心配はありません。掲載前に店訪問を行い「検証済」であるので、安心して読むことができます。支払額や他店との比較など異なる観点からの検証もあり文章の信頼性を上げてます。ページの左端にある「トモサトのオススメポイント」もリピーターならでのコメントで参考になります。
この本の一番の特徴は、一般サラリーマンがラーメン屋や居酒屋に行く感覚で高級レストランで飲食している人が書いた「お勧め高級飲食店本」だというところに尽きると思います。書かれている内容自体は、ラーメンオタクが書くラーメンレビューだったり、タイ料理好きが書いたタイ料理屋食べ歩き日記と大して変わらないのですが、それを高級飲食店を舞台にできるのが友里氏と他の人の資質の違いだと思います。ただのレストランガイド本としては★3つだが、この本の特殊性を考慮に入れると★4つになります。