RADWIMPS2年振りのフルアルバム「絶体絶命」。
とても密度の濃いアルバムである。単純にイマイチな曲がなく、どの曲もちゃんと意味を持っているように思える。
14曲中14曲が心に響く、ような。メロディーメイクもバッチリだし歌詞の出来も全体的に良い。
シングルの段階ではやや不安定な印象もありましたが
こうやってアルバムで聴くときちんとテーマも楽曲もまとまっていて流石だなあ、と。
そのシングル勢も配置によって響き方が全然違うから驚きである。
特に「携帯電話」はシングルで聴いた時の数倍は良かった。響きました。そして「狭心症」の威力もまた凄い。
タイトルは「絶体絶命」ですが、極端に緊迫したアルバムでも、またいつも通りでもない。
今回はラブソングのアルバムじゃない。
自分自身に向けてのアルバムになっていると思います。
散々駄々こねて、曖昧な灰色で、単純に足掻いて、一人ぼっちで、客観的に見れば単なる脇役で、自分の悲しみで精一杯で
止まる事も出来なくて、自意識過剰で、大言壮語で、自らに価値を見いだせなくて
自身の身体に対する感謝もなくて、そんな自分でも誰かと繋がってて、希望を捨てられなくて、自分を助けてあげたくて。
よくよく聴けばストーリー性も強いアルバムですが
そういった自分自身に対する問いかけだったり、存在に対する疑問だったり、でも肯定なんかもあったりして。
相当ディープな部分に潜り込んでるアルバムですけど
前述の通り楽曲自体はどれも抜けが良くて聴きやすいし
何より聴きながら考えたりする事が出来ます。
それはその場限りの消耗品じゃなくて、ずっと聴き込んでいけるような、絶対的なタフさ。がこのアルバムにはあります。
是非向き合って聴いて欲しい。
そんな作品に仕上がっています。これは、傑作だと思う。
誰かに頼っても、誰かに祈っても、自分を救ってあげられるのは自分しかいない。
最後の「救世主」を聴いてそんな事を思いました。
相変わらず趣の深い歌詞です。自由に捉えられる隙間がある。