30代の女性です。
先日の新聞で、「日本女性の約10人に1人は乳がん」という記事を読みました。
まず思い浮かんだのが、写真家・アラーキーが撮影した、歌人・宮田美乃里さんのヌード写真、そして知人が実際に苦しんでいた時の姿でした。彼女たちも、私と同じ30代。女性にとっては、衝撃的な事実を見せつけられる病です。
この病で、今春亡くなられた絵門ゆう子さんの闘病エッセイである本書を読んで、私にとっても決して遠くにあるものではない、ということを実感しました。絵門さんは、病気と対峙する赤裸々な姿、繊細に揺れる正直な気持ち、現在の患者と医療関係者、家族、周囲の目とそれらの距離感、そして命というものを、ストレートに伝えています。
特に、当事者側ではない私たちの何気ない一言や態度、病気に対する未熟な知識が、彼女たちをどのくらい追いつめていたことか、この本を読んで初めて知り、深く考えさせられました。
「死」という重苦しく、目を逸らさずにはいられない現実なのに、絵門さんの意志が強くて明るくユーモアのあるキャラクターが、不思議なほど軽快に対面させてくれる一冊です。
今は、誰もが病の一つや二つを持ちながら生きている時代とも言えます。進行の度合いは違えど、その病とどんなふうに向き合い、生きていくのか。私たちにとって、共通のテーマではないでしょうか。
絵門さんの「“余命”=“余りの命”だなんて、失礼でしょ!」という言葉、おっしゃる通りです。命は、長さではなく、内容じゃないかと思いました。そんな風に教えてくれた絵門さんの生き様はアッパレです。