本書は、著者が1992年に出版してベストセラーになった同名の中公新書の概要を、
子供にもわかるように解説した絵本だ。
哺乳類は、体が大きくなるにつれて心拍や呼吸の間隔が間延びしていき、時間の感じ方が長くなる。
ネズミの寿命は数年、ゾウのそれは70年。
だが、どの動物も生涯に打つ心拍数は約15億回と同じなので、それぞれの一生は等しく差がない。
ただし、例外がある。僕はこの例外が大好きだ。ナマケモノ(樹懶)は、哺乳綱異節上目有毛目ナマケモノ亜目 (Folivora) の総称。
ミユビナマケモノ科とフタユビナマケモノ科が現生し、他にいくつかの絶滅科がある。
そのゆっくりとした動作から「怠け者」という呼び名がついた。英語名の Sloth も同じく、怠惰、ものぐさを意味する。
体長は約41-74センチメートル。四肢は長く、前肢のほうが後肢より長く発達している。長いかぎ爪を持ち、これを木の枝に引っ掛けてぶら下がっている。
南アメリカ、中央アメリカの熱帯林に生息する。生涯のほとんどを樹にぶら下がって過ごす。食事や睡眠から交尾、出産までも樹にぶら下がったままで行う。
主食は葉や新芽など。週に1回程度、樹上から降り、地上で排便、排尿を行う。
日中は頭を前脚の間に入れ、枝に張り付くようにして丸くなって眠るため、遠目には樹の一部の様に見える。
これがジャガー、ピューマなどの捕食者から身を守る擬態となっている。
年齢を重ねた個体は苔が生えることもあり、これも樹皮への擬態の一部となる。
心拍や呼吸、神経の情報伝達速度まで、同じ大きさの他の動物より遅く、寿命も1.5倍長い。
「なにもしないことの大切さ」ってあるよなあ。