幕末に訪れた西洋人は多く、見聞記も多数ある。
回し者ではないけれど、講談社学術文庫はこれらの翻訳本の文庫化にすばらしい仕事をしていて10冊近く出版している。
この本の特色はスイス人の著者の絵が達者なことで、当時の様子がリアルに描かれた挿絵が沢山あるところである。
リアルすぎたのだろう。
馬に乗る奉行を描いた絵は、なんだかサルに見えてしまうもので、一部にショックを与えたようだ。
全般的には、日本人を猿っぽく描いていはいない。
たまたまの筆の加減というもので、著者は熱心に日本を理解しようとしている。
寺子屋でいろは歌の意味を聞き、ピンとくるなどなかなか勘も良い。
仏教思想を背景とした無常観を詠んだこの歌で、日本理解のポイントに気がつくのである。